先月、11月17日、栗駒山麓ジオパークトレイルファムツアーに参加してきました。
ジオパークというのは、「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所をいいます。日本ジオパーク委員会によって認定されています。
今回は、トレイルのルート作成への意見を各専門家から集めるとの目的で、林業・下水道関係・トレイル事業・様々な分野の方が集まるなか、旅行会社としての意見も少しは参考にしていただけれたらと思い、参加させて頂きました。
栗駒山は宮城県に位置しています。
先輩通訳案内士の方に伺ってはいましたが、本当に完全リモートワーク対応が施されていて、普段の事務仕事もサクサクと進みます。内装も清潔で明るく、ずっと乗っていたくなる車両でした。
くりこま高原駅からビジターセンターへ向かう道中、広大なたんぼが見られました。やはり米どころとして有名な宮城県です。この三角形のものは何でしょうか。
これは、「ねじりほんにょ」といって、稲刈りした後に干すときに洗濯もののように干すのではなく、ねじりながら干す、このエリアの伝統的な方法だそうです。山間部は湿気が多く、より空気にあたりやすいようにねじっているそうです。こちらではこの「ねじりほんにょ」がマスコットになっていてとてもかわいかったです。
平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震で発生した多数の山地災害により人も亡くなりました。
自然災害の多い日本でこのような悲劇は数知れませんが、この悲しみを乗り越えて災害と向き合い、今まで同様これからも工夫を重ねていくためにジオパークとして皆様に接してもらうことが、この栗駒山麓ジオパークの思いだそうです。こちらの写真は宮城内陸地震により発生した日本最大級の地すべり。公園からは日本最大級の荒砥沢地すべりを一望でき、今度トレイルのルートにも入れる方向で進めていくそうです。
近くには伊豆沼があり、多くの渡り鳥がロシアから渡ってきます。夕暮れには白鳥に餌をあげることができます。
夕日がとてもきれいです。
この伊豆沼には「マガン」が冬の時期を過ごしにやってくるそうです。
朝田んぼへ行って落ち籾を食べ、夕方になると沼に戻り休息します。
朝日が昇るころ一斉に田んぼへ向かって飛び立つ姿を一目見る「マガン飛び立ちツアー」もあります。
朝がとても苦手な私もお勧めされ、頑張って5時30分出発のツアーに参加させていただきました。
何が合図になっているのか、どうやらリーダーがいるそうなのですが、群れは数匹だったり大群だったり様々だそうです。基本は家族は一緒だそうです。成長するとオスはお友達のオス同士で行くこともあるそうで、なんだか高校生みたいだなぁと感じてしまいました。
この日はとてもきれいな飛び立ちを鑑賞することができました。間近で見ると壮大なスケールで、自然の偉大さを感じることができます。日々の小さな悩みなんて吹っ飛んでしまいます。
都市部に住んでいると、田んぼやきれいな夕日、渡り鳥などを見る機会はほとんどないかと思います。このジオパークでは、災害や人と自然との共生を学ぶことができます。
時にはゆっくり美しい日本を見に来られてみてはいかがでしょうか。