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「レトロ建築・京都編」

こんにちは!マイトラガイドのリチャードです。朝晩はめっきりと寒くなって参りましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。この季節は、お出かけが億劫になる方も、多いかもしれません。最近は温熱効果に優れた素材を使った服が普及してきているので、是非、暖かい恰好をしてお出かけしてみましょう。

さて、今回ご紹介するのは、京都の四条大橋の目立つ位置にあり、京都でもよく知られた風景の一つとなっている北京料理店の「東華菜館」です。建築好きの方は、既にご存じかもしれませんが、建物はスパニッシュ・バロックの洋館で、ヴォーリズ建築事務所の設計によるものです。しかも、ヴォーリズ氏が生涯で唯一レストラン向けに作った建物なのです。

この建物は大正15年に完成し、当初、西洋料理店である「レストラント矢尾政」として開店しました。ところが、第二次世界大戦に突入すると、洋食レストランの存続が許されない状況となり、店主の友人であった于永善(う・えいぜん)氏に託すことになったそうです。于氏は中国・山東省の出身で、大連で山東料理を習得した後、日本に来られていたようです。そして、昭和20年に山東料理をベースとした北京料理店「東華菜館」が創業されました。

店内には建物に合わせてヴォーリズ氏が設計した調度品や花台も残っており、料理とともに楽しむことが出来ます。設置されているエレベーターは、1924年に米国で製造されたOTIS社製のもので、現在も稼働している日本で最も古いエレベーターとされています。格子形の蛇腹式内扉や時計針式のフロアインジケーターなど、貴重な装置が備わっています。手動式であるため東華菜館のスタッフにより操作が行われます。

中国料理は地域によって特色があり、大きくは北京料理、上海料理、四川料理、広東料理の四つに分類されています。その中でも、東華菜館の料理は、山東料理を原型とし、北京の皇帝に献上する宮廷料理として発展してきた北京料理であり、塩味ベースで比較的あっさりとした高尚な味わいを楽しむことが出来ます。

ヴォーリズ氏による建築、宮廷料理由来の北京料理、京都の景色を一度に楽しむことができる東華菜館は、この冬、是非訪れていただきたい、おススメのスポットです。東華菜館のご紹介動画も作成しています。ご参考になれば、幸いです。

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